全仏女子シングルス1R 奈良2-1ドダン

はい、ローランギャロスの日本人選手の試合を結構チェックできたので
久しぶりに書きます。
初日に一番印象に残った奈良さんの話。


シャラポワみたいな長身ハードヒッター、
18歳のフランスの新星身長188センチドダンを、
身長155センチの奈良さんがらしいテニスできれいに逆転勝ちしました。
本当にすごかった。


ドダン、身長と身体能力を最大限に生かしてすべてのボールをハードヒットしまくる
破壊テニスです。
こりゃもう、シャラポワ級ですよ。
サービススピードも平均190キロ超えたりして、
錦織さんとあんまり変わらんというもう、
モノが違うってこういう人を言うのねって感じです。


ってことで、ファーストセット、
ドダンに普通のフォアハンドストロークも、バックハンドストロークも、
リターンでもどっかんどっかん強打されて、
奈良さんは手も足も出ずに2つブレークされて6-3で落としました。
見てる人たちはもう、こりゃもうライジングサンを
止められないよって感じたと思います。


ここでスタッツ見てみます。
ドダンはファーストセットだけでウィナーが18、エースが2で、
20点も決めポイントがあったんです。
アンフォーストエラーが16でダブルフォルトが4も同時にあって、
決めたのとミスが同数って感じです。
ほんと、パワフルですごい選手で、
見た目どうしようもないくらいな感じでしたけど、
数字を見ればミスも同居している、と言うのは分かります。
分かるんですけど、ファーストセットは奈良さん、
ブレークポイントは握れていません。


女子は3セットマッチなので、セカンドセットで流れを変えないと
一気に押し切られてしまいます。
実際、奈良さんはセカンドセット早々にブレークされて、
1-3まで来てしまいました。


けど、この辺りから、ドダンのフットワークがちょこっと正確さを欠いてきた感じが合って、
ショットのタイミングが合わないミスとかも増えていた感じもあります。
そういう時に、奈良さんがムーンボールを入れたりして、
とにかくドダンが打ちやすそうなリズムにしないようにやり始めました。


遅いボールをわざわざ打つのって、勇気がいるんですよ。
ちょっとでも浅くなると打ち込まれるし、遅い球打つのそのものも結構難しいし、
もしそれがアウトとかになろうものならメンタル的にもしんどいし。


でも、奈良さんは勇気をもってムーンボールを打ちました。
それも結構深くコントロールされてたし。
深く打つだけでなくて、さらにドダンのバック側に浅い目にムーンボール打ってみて、
ちょこっとドダンの読みを外した上で動かしてみたりとかしてました。


そしたら、セカンドセット後半から、
ドダンは目に見えて崩れてきて、奈良さんは結局セカンドセットで4ブレーク奪って、
7-5で取りました。
スタッツを見ると、
ドダンのウィナー+エースが14で、アンフォーストエラー+ダブルフォルトが26です。
これだとまず勝てません。
奈良さんはウィナー+エースが9しかないんですが、
アンフォーストエラー+ダブルフォルトも9しかない、
本当にミスの少ないテニスなのです。
奈良さん、相手の強打を拾って拾って、
その上でしっかり深くつないでチャンスをものにしました。
ファイナルセットは奈良さんがこのペースとモメンタムを守って奈良さんが取って、
奈良さんの勝ちってことで、内容は省略します。


ってことで、テニスの試合で勝つのに大事なこと
ウィナーの数<アンフォーストエラーの数だと、
どんなにいいボールを打っても勝てません。
テニスって、実はこれを競うスポーツ、と言っても過言ではないです。
我々レベルで言うと、試合に勝つためには、エースとダブルフォルトもここに入れて、
ウィナー+エース<アンフォーストエラー+ダブルフォルトだと負けるよ、
って言っていいかと思っています。
きれいなウィナーをどんだけ決めてもそれより多くミスると負ける、それだけです。
そのテニスの本質を分かって、奈良さんは勇気をもってやり切った、そういうことです。
粘るだけじゃなくて、相手のミスを誘発するようにつなぐ中でも相手の読みを外したコースに
ムーンボールを打ってみたり、
リターンエースの可能性もあるけど思い切ってバックにサーブ打ったり。
ってことで、日本人が大好きな「柔をよく剛を制す」みたいな試合を奈良さんはしたわけですよ。
これが男子なら闘牛のマタドールみたいだとも言えるんですが。
スタッツ見ると、ドダンのサービス、ファーストは平均190キロで、セカンドも170キロ超えてるわけですよ。
奈良さんはファースト150キロくらいでセカンドは130キロとかそんなもん。
それでも最後は奈良さんが相手の心技体すべてを凌駕して勝っちゃう、それがテニスなんです。


ってことで、どうすればテニスの試合で勝てるのか、
ということが非常に分かりやすい試合だったので、
この試合の映像を全国の高校1年生、
テニスはじめたばっかりのテニス部員に見てほしいですね。


さらに見習いたいところ。
奈良さん、最初劣勢だったし、本当にギリギリで返球しまくって自分の形で攻められなくて、
精神的にしんどかったと思うんです。体も疲れてたと思うんです。
それでも、疲れたそぶりを試合中全く見せませんでした。
実際は絶対に疲れてるんですが、
それ見せると負けと同等ってことが奈良さんは分かっていて、
ポイント間の振る舞いとかも最初から最後までほとんど変わらず、
試合が終わっても興奮している感じもありませんでした。
これをやり切るのは本当に大変なんですが、
自分の気持ちを相手にさらすのはデメリットしかないのでやり切るべきなんです。
特に、今回はフランスで試合してて、相手フランス人ですからね。
自分が弱気になったら、お客さんまでそれに乗ってきちゃいます。


ドダンも、18歳でプロの試合にあんまり出てない中で、
若い素質のある選手にありがちなうるさい感じがありませんでした。
ポイントとられても大声出したりしなくて、基本表情変えませんでしたし。
これは、ジュニア時代からかなりコーチングされて今に至っているのだと思います。
ジュニアは勢いを大事にして、喜怒哀楽を出したほうがいいとかいう人がいるんですが、
それだと大人になってからそれが理由で試合に負けるので、
テニスの試合をやる以上、こういうメンタルコントロールは最初からやるべき、
と私は思っています。
あと気になったのは、ドダンがセカンドセットで右手首痛いって言って、
メディカルタイムアウト取ったんですが、
出てきたトレーナーと話してるだけで、
これと言った治療をせずに試合再開になりました。
これ、もしかして流れが悪くなってきたときに試合止めて流れ変えようとしている、
いわゆるエナン作戦じゃないかとか勘ぐってしまいました。
だからと言ってメディカルタイムアウトを禁止するわけにはいかないし、
この問題は難しいですね。


最後、プロダクトの話。
奈良さん、アパレルは頭から足先まで、ラケットもすべてスリクソンです。
住友ゴム系の国内ブランド。昔のダンロップの国内企画ですね。
日本人が好みそうなウェア着てますよ。
スリクソンを作って売ってる会社の今の社名はダンロップスポーツ。関西系。
最近、町のテニスコートでもスリクソン率上がってます。
ストリングはダンロップスポーツが輸入しているバボラだそうです。
何使ってるかググれば分かりますが、調べません。
テレビで見た感じ、ナチュラルが横に入ったハイブリッドだと思うんですけど。


負けたドダンですが、
身長はシャラポワと同じだし、スリムさはシャラポワの10代のころみたいで、
本当にシャラポワみたいなんです。
アパレルもシャラポワと同じくナイキで、ナイキのワンピースが本当に似合います。
見た目もかなりかわいいし、このままいけば人気も出るだろうな。
本当に大物です。


長くなりました。
次、時間があれば、西岡さんとダニエル太郎さんのローランギャロス初挑戦に触れたいと思います。
あと、土居美咲さんも触れたいです。フォアでどんどん攻める土井さんらしい
もんのすごくいいテニスでした。
伊藤と添田は準備不足がありありだったのですっ飛ばします。
では。

先週のJリーグで起こった反則の話

久しぶりにエントリーします。

今回のエントリーの本件、
どうしても自分の手で情報整理してまとめたかったのでやります。
先週末(4/3)のJリーグ第4節、
鹿島ー鳥栖の試合で起こった事件のことです。
本件、かなり過激っていうかひどい反則行為で、
インパクトも強いし、見た人は感情的になりやすい側面のある内容ですので、
なおさらちゃんと情報整理の必要があります。


*まずは何が起こったのかおさらい

このブログ見てくださる方だったら、
もう見られてますかね。

https://www.youtube.com/watch?v=v4JoOXt7qs4

鹿島の金崎選手の突破を防ごうと、
鳥栖のキム・ミンヒョクさんが手で金崎さんの上半身を掴んで引き倒し。
さらに、その後金崎さんの顔を踏みつけるような動きをしました。
踏みつけに行った足は、
金崎さんの顔面に激しく命中している感じではありませんが、
映像を見る限り、ちょっと顔面にかすっている感じです。

この流れに関して、レフェリーはミンヒョクさんに対してイエローカード


*判定に関してここでまとめ

イエローカードだったのは、
レフェリーから顔面踏みつけ行為が見えなかったということです。
見えていたら、これはもちろんレッドカードですね。
ということで、ミンヒョクさんは退場になることなく、
試合は2−1で鹿島の勝ちとして終了しました。


*この踏みつけ行為について補足

踏みつけ行為ですが、全然ボールと関係ないところで起こっていて、
「ボールを奪うための競り合いの中で偶然起こった」とは言えません。
単に金崎さんの顔を踏みつけるためにミンヒョクさんの足の裏は出されました。
踏みつけ行為に関しては、もはやサッカーのプレーではなく、
単なる暴力行為です。

あと、このプレーが綺麗にテレビカメラで撮影され、
放送もされてしまって、動かぬ証拠としてネット上で騒がれることとなりました。


*試合後、ミンヒョクさんに追加処分

Jリーグは事態を重く見て、試合の4日後(4/7)に規律委員会を開いて、
ミンヒョクさんに対して4試合の出場停止の処分を下しました。
4試合の内訳はナビスコカップ2試合、リーグ戦2試合。


*処分の重さについて

この4試合、実質2週間の出場停止が、
ネットでも「軽すぎ」とか言われている模様です。
Jリーグの過去事例を見ると、
相手の反則に対しての報復で足出して、
それが相手の顔面とかに命中して大怪我を負わせたっていうのに
6試合の出場停止が出たとか、
Jリーグ草創期にレフェリーの判定に不服で、
選手がレフェリーに体当たり食らわしたのに3ヶ月の出場停止
という記録があります。

それと比べて何で軽いんだっていう感じもしますが、
処分に関する根拠が、
「選手等に対する暴行・脅迫および一般大衆に対する挑発行為」
ですので、行為の悪質性に関してJリーグが見逃している感じではありません。
ちゃんと暴力行為と認定して、その上で4試合の出場停止です。

サッカーの反則の中で一番重い処分となるとよく言われる、
相手への報復行為とレフェリーへの異議ではないということですかね。
あと、被害者の今後に問題があるような怪我もなかったということも
あったかもしれませんが、そこは私の憶測で、
とにかく、Jリーグは本件に関してちゃんと見て4試合出場停止と裁定しました。

ここから私の意見。
4試合じゃ処分が軽すぎる、
チームも自主的にさらなる処分を科すべきと
意見する人がネットとかでもいますが、
本件に関しては、リーグがちゃんと見て処分してますので、
リーグの処分で不足はないと思っています。
鳥栖も、リーグの処分を尊重すべきで、
4試合の出場停止が終わって、
ミンヒョクさんが試合に出られるパフォーマンスがあるのなら、
試合に出場させるべきです。
ミンヒョクさんはこれから出場停止という罰を受けますので、
その罰を受け終わったらもちろん、
見る側を含めた関係者はプロサッカー選手として受け入れるべきです。
ミンヒョクさんには、
今後はそのプレーで反省したことを証明してほしいと思います。
ミンヒョクさん自身はもう二度とこういう反則をしません、
そして、ミンヒョクさんと一緒にプレーする鳥栖の選手も
こういう反則は絶対にしません、
ミンヒョクさんがからむ試合は今後こういう悪質な反則とは無縁になります、
そういうプレーをミンヒョクさんはしてほしいと思います。


*ミンヒョクさんの謝罪を金崎さん、セレーゾ監督が受け入れた話

ってことで、後日談として、
4/9にミンヒョクさんが茨城の鹿嶋(佐賀の鹿島ではないですよ)の
アントラーズのクラブハウスまで行って、
金崎さんとセレーゾ監督に謝罪をしたそうです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150409-00000100-dal-socc

内容通り本件に関しては、
当事者同士では手打ちとなっています。

ということでミンヒョクさんには、
処分の間は色々反省してもらって、
処分が開けたら反省を活かして思い切ってプレーしてほしいと私は思います。

そう思う理由は、セレーゾ監督が言っている通り。
多分ミンヒョクさんは反省をして、
それを今後の行動につなげることができるスポーツマンです。

金崎さん、セレーゾ監督、
許してくださいましてありがとうございます。
おかげさまでスポーツマンシップの正しい理解が、
日本発でアジア各国に広がるチャンスが出来ました。

とにかく、セレーゾ監督、
さすがサッカー王国の指導者です。
これぞスポーツマンシップ

以上です。

錦織さん世界ランク4位ってことでまとめと今後のこと

どうも。
今夜は錦織さんの話。
堂々の第1シードでのアカプルコ登場だったんですけど、
第2シードのフェレールにリードすることが1度もなく負けてしまったってことで、
今後のことも含めて気づきを書いてみます。

はてな形式でいこう。

*2人の調子について

大会を通じて錦織さんの調子は良くはなくて
フェレールの調子はかなり良かった。
2年前までの強いフェレールでした。
最近、錦織さんはフェレールに3連勝してましたけど、
ここ半年のフェレール、あのしつこさがなかったです。
今日のフェレールは4位に長年いたときのフェレールでした。

*2人の選手としての格について

錦織さんはBIG4の直後の5位というポジションになってまだ4週間しか経っていません。
フェレールはこのポジションを3年以上務めていた選手です。
相撲で言うと、フェレールは関脇を3年務めてきたけど、
最近ちょっとケガがあって負け越しをしてしまって三役陥落して前頭筆頭になった立場、
錦織さんはここ1年でめきめき実力をつけて勝ち上がって、
平幕の立場で優勝決定戦も経験して、
一気に新関脇にジャンプアップした、そんな立場です。
ってことで、選手としての格としては、まだまだフェレールが上です。
調子で劣る状況だと錦織さんは勝つの、かなり厳しい。

*今回の大会の場所

今回の試合会場はメキシコのアカプルコ
南米、スペイン語圏です。
スペイン人のフェレールはここの大会に毎年出場してて、
ここで3回優勝しているんです。
お客さんもそりゃみんな、フェレールを応援します。
スペイン語がしゃべれないアジア人を応援してくれる要素がまったくありませんでした。
南米のテニスの試合はまた独特で、
雰囲気を出すだけじゃなくて、その雰囲気を声に出して騒ぐ特性があります。
テニスは静かに見るものっていう概念は南米にはありません。
そんな中で、錦織さんの決勝の内容はいいものではありませんでした。


*錦織さんにお客さんから大ブーイング

試合の流れから何から錦織さんに悪い展開、
さらに場所がメキシコでアジア人なんて誰も応援してなくて
スペイン人のフェレールをみんな応援していました。
そういう雰囲気を会場が出すっていうのはまあどこでもあるんですが、
本当にそれをお客さんが全体で声を出すっていうのは南米特有です。
錦織さんにとって完全アウェー。


*錦織さん、ブチ切れ寸前

錦織さんですが、セカンドセット2-4の30-30からダブルフォルトしちゃいました。
高校生でも分かる、絶対にしちゃいけない、そこでやると敗色濃厚っていうか
もう負けですよってタイミングのダブルフォルト
さらにそこからラケット投げるっていう、
もう負けを認めた態度を一瞬見せました。
(これなんですが、テニスやってるとどうしてもやっちゃうときがあるんです。
誰だってやります。これが負けの直接の理由だったわけではありません。)

とはいえ、勝負所でダブルフォルトしてラケット投げちゃって、
お客さん全体から大ブーイングくらってしまいました。
俺たちは金払って見に来てるんだぞ、まだ負けてもないのに負けを認める行為はやめろってね。
確かにそうですけど、でもさあ、そもそもお客さんたち、
フェレールのほうをみんな応援してるよね、
なのに何で俺にそんなブーイングするんだよって
錦織さんの心の中はそういうムカムカした感じがあったんだろうなと思います。
セカンドセットでリードされた以降、錦織さんのポイント間の歩き方が、
かなりイライラがたまっている感じの動きの悪さでした。

このブーイングも南米独特な感じがあって、
南米の試合のブーイングって、やりだすとめちゃくちゃ長いんです。
ポイント間20秒っていうテニスのルールがあって、
そのリズムでみんな試合をしてるんですけど、
南米のお客さん、そのリズムを守ってくれないんです。
声援だったら集中力につなげることもできるかもしれませんが、
ブーイングでポイント間の時間まで延ばされてしまうと、
もう次のサーブまともに打てないですよ。
南米って、お客さんを敵に回すとサーブのタイミングが取れなくなってきて、
そのリズムが悪くなってくると今度はフォルトで大歓声出し始めます。
アウェーの選手、本当にやりづらい。
ってかルールが守られない中でやる感じなので、
本当に試合をやめて帰りたくなる、アウェーの選手にとってはそういう場所なのです。
南米での試合はとにかく、第1シードであろうがアジア人を
後押ししてくれるものは何もありません。

ってことで、錦織さん、
珍しくブチ切れ寸前っていう心理を態度で見せました。


*それでも錦織さん、第1シードの務めを果たした

来週以降、インディアンウェルズとマイアミっていう、
今大会の倍のポイントがもらえる試合が控えているってことで、
今後のことを考えても早々に諦めてもいいような内容だったんですが、
錦織さんは第1シードの役目を果たすべく、
ここから気を取り直してサービスキープ、
さらにリターンゲームでも攻めてフェレールから2ブレークを取って
あきらめない姿勢をプレーで示しました。
あそこから立て直してセカンドセットを
もつれさせる展開にするのは本当にすごい。
チャンの現役時代みたいです。

*あのフェレールが「勝ちビビり」してた

流れを見てると6-3、6-2くらいの試合内容のはずなんですが、
あのフェレールが勝ちに近づいていくほどだんだん硬くなって
セカンドセットはとにかくもつれてフェレールまで
3ブレーク食らうというグダグダの展開になりました。
一番こういう試合をしなさそうなフェレールが勝手にプレッシャーに飲まれて、
高校生みたいな終盤のクオリティダウンを引き起こさせるまで、
錦織さんの実力にフェレールがビビっている、
それを証明させた、そういう内容の試合でした。


*今日の錦織さんは世界4位に値するプレーではなかった

錦織さんの今日のクオリティだと、
3位になるなんて100年早い、
4位になるのもまだ早い、そういう感じです。

報道通り、今後のインディアンウェルズから、さらに先のクレーシーズンに向かって
試合の結果度外視で厳しいトレーニングをしている最中、
だから今、疲れがたまってる状態で試合をしているって話だと信じています。

*錦織さんの今後のランキング推移予想について

錦織さんの去年のインディアンウェルズは3回戦敗退です。
ナダルも3回戦敗退で、
ポイント差からすると、インディアンウェルズで
錦織さんがナダルより上のリザルトだったら錦織さんとナダルのランキングは入れ替わります。
マレーは4回戦敗退です。
とりあえず、この3人のポイントは近くて、インディアンウェルズの結果の差が
そのままランキング入れ替わりに反映されそうな感じですね。

その次の3月下旬のマイアミで、
昨年錦織さんはベスト4に入ってますので、
今年もベスト4に入らないとかなりポイントを失います。
ここでベスト8にもなれないようだと、
ナダルとマレーの実力からして、
5位に下がってしまう可能性が高いです。

マイアミが終わったところで4位を維持して、
4月も4位で行ければ、ローランギャロスで第4シードが取れること濃厚です。
ナダルが3位でいてくれればの仮定で話をしますが、
ローランギャロスで勝ち進むために一番重要なことはナダルに当たらないことで、
第4シードは決勝までナダルと当たることが絶対にない一番最高のポジションなのです。
第1シードと第2シードは確率半分で準決勝でナダルに当たります。

だから、マイアミ終わるまで、錦織さんには4位でいてほしいです。
それができれば、USオープンまで4位維持ができそうな感じなんですよね。
とにかくここまでこれたので、デビスカップもパスして、
今年は自分のランキング上昇とグランドスラムとツアーファイナル優勝に
集中してほしいなって思うのは私だけですかね。

長くなりました。
錦織さんのことを考えるとワクワクして眠れません。
では。

テニスは本当にメンタルスポーツなのか

どうも。
1週間ぶりです。
最近、毎日筋トレしててその分ブログを書こうという
頭の中にならなくて、エントリーしていませんでした。

今日のエントリー。
先週やろうと思っていた、
「テニスは本当にメンタルスポーツなのか」
という話です。

これ、前から文章で書いて
私の考えをまとめようと思ったんですけど、
アプローチできる角度もめちゃくちゃ多いわ、
テニスをやるカテゴリーとか環境、立場で
「メンタル」の考え方が大きく違うし、
中途半端に詳しく書いても、
誰の役にも立たないものになりそうな気がしたので、
書きたいけど書こうと筆を取ることができなかった内容です。

ってことで、これに関しては、
とりあえず、私が思っていることの基本と、
私が一番熱心にテニスをやっていたカテゴリーの
日本のいわゆる社会人テニスと大人向けのサークルテニスで
プレーする人に役に立つようにまずは書こうかなと。

普段は別の仕事をしてて、
仕事休みの時にプレーしている人や、
ちゃんとした指導者がいない人向け。

前振りが長くなりました。
なるべく簡単に書きます。

私の考えは、
「メンタルで試合の勝敗が変わることはない」
以上です。

個人的には、プロ選手でもない限り、
これでいいと思っています。

何でか、って言うと、
これはぶっちゃけた話ってことになりますが、
メンタルを理由にしても、
フルタイムで練習してて、
普段の練習も試合も見てくれるコーチでもいないと、
メンタル部分に踏み込んだフィードバックはできないからです。

そんなことより、ポイントを取る技を磨いて、
自分の体を鍛えたほうが手っ取り早いって言うか、
これしかない。

試合で勝つ確率を上げるには、
たくさん出来て週に2回とかいう
社会人プレーヤーとか、
指導者がいない高校生とかは、
メンタルとか考えずに、
とにかく、自分がポイントを実際に取れるショットを磨いて、
それを実戦でやってみることです。
相手を上回れる要素が多ければ多いほど、
メンタルなんて意識しなくても、
ちゃんとプレーができるものです。
で、マッチポイントを取ることを体験して、
試合に勝つってどういうことかってどういうことか
体で覚えること、これしかないです。

ってことで、「メンタル」をただピックアップして
あーだこーだ考えることは有効だと思えないのです。
とにかく、これだと掴みどころがなくてなんの解決にもならない。

もし、「メンタル」を考えたいのなら、
テニスの試合での「メンタル」って何なのか
簡潔に言葉で持っておく必要があると思っています。

私の中でまとめた言葉を書いておきます。

「マッチポイントを取るという目標に対して、
自分ができることを把握して、できる行動を選択すること」
がメンタルです。

ってことで、
マッチポイントを取れる試合展開のパターンを多く持っているとか、
そもそも技量で大きく上回っていたりすると、
メンタルに余裕がある状態で、
メンタルのことを考えなくてもメンタルはフル充電状態です。
ってことで、技と体が強ければ、メンタルなんて崩れないんです。
メンタル鍛える暇があったら、技を磨いて体を鍛える、
試合前は仕事を早く終われる環境を作るほうが100倍早い。
正直、それがメンタル。

こんなことを言うと、多分つまらないと思う人が多いんだろうなとか、
思ってしまったりします。

「メンタル」って日本人の一般テニスプレイヤーが
考えるの本当に大好きなんだな、って思います。
サークルで試合に出た後、ファミレスとか居酒屋で
反省会すると、絶対誰かが「メンタル」の話をすること、
お決まりです。

私は、テニスを始めてもう20年とかになるんですけど、
その間もバスケットやらソフトボールやら、
他のスポーツの試合にも出るチャンスが幸運にもあって、
テニス以外のスポーツだとそんな「メンタル」って話にならないし、
「メンタル」なんて言ってるのテニスだけだよ、
とかいう感じなのです。

スポーツの試合なので、
どの競技も勝敗はあって、
相手を結果として上回ったほうが勝ちなのは
どの競技でも変わりません。

何でテニスだけ「メンタル」とか
一般人まで言うんやろうな、
とか思っていて、
その理由も何となく自分の中では仮説があるんですけど、
それを話しだすと長くなるので、ここではやめます。

ってことで、また。

今後はプロダクトの話にまた戻ろうかな。

では。

テニスの試合で勝つために私がやっていたこと

こんにちは。

このブログなんですが、
テニスを中心としたスポーツ関係のプロダクトの話を
やっていこうと思っていたんですが、
私自身仕事以外でやりたいと思っていることが、
「専門の指導者がいなくてちゃんとしたスポーツ指導を受けられない
日本のジュニア世代の人のスポーツに関するサポート」
ということもあり、
これに役立つと自分が思っているものも
ここに書き残していきたいと思っています。

もちろん、プロダクトのマニアックな話をしていって、
日本のスポーツ産業について考えるヒントにするという活動もやります。

今日の話ですが、
「テニスの試合で勝つために私がやっていたこと」にしたいと思います。
誰も私の体験談とか期待してないのは分かっているんですが、
前のエントリーとの関連もあって書き残しておきたいので、やります。

前のエントリーですが、内容としては、
「テニスの試合で勝つために一番大事なことは、
マッチポイントを自分のポイントにする」
ということでした。

私は、25歳の時に、
会社のテニス部の先輩から、それを聞きました。
続けて言われたことは、
「マッチポイントを取ることをイメージする、
それにしたがって今日の試合の流れをイメージする、
さらに今日1日のコーディネートをする」
ということでした。

東京都実業団リーグの試合に出させてもらえるようになってから、
2年経った時で、テニスの楽しさを知って熱心にやるようになったけど、
全然試合に勝てない上に接戦になるとほとんど負けるということを
続けていた時期でした。

自分がやりたいテニスで勝つのが一番楽でいいんですが、
実際は勝てないし、試合に出るならやっぱり勝ちたいので、
とにかく、試合に勝つにはどうしたらいいかその言葉を元に考えました。
あと、それを教えてくれた先輩社員の真似をしました。

技術上達のための練習とか、
トレーニングももちろんしてますよ。
それはみんなやってることなので、
ここでは省きます。

それ以外でやったこと。
ここから書きます。

(テニスのプレーそのもの)
・ワイドにサービスを全く打たない。
 基本すべてのサービスをセンター付近に入れて、
 マッチポイントのみワイドに打つ。
・自分の一番速いサービスはマッチポイントの時に打つ。
 それ以外は回転多めの遅いサーブ。
・マッチポイント以外はダウンザラインのショットを極力控える。
・マッチポイント以外はフォアでフルパワーショットをしない。
・試合中、たまに常識外れなポジショニングをして、
 たまにそれで抜かれたりしてみる。

(プレーそのもの以外で試合中やったこと)
・ポイントを取って嬉しくても、マッチポイントを取り切るまでは、
 出来る限り喜ばない。喜ぶ素振りも出来る限り見せない。
・ポイントを取られても、どれだけ悔しくてがっかりな気持ちになっても、
 できる限り平静な素振りをして、
 いつものポイントと同じように次のレディポジションへ向かう。
・疲れていても、疲れている素振りを見せない。
・いつも同じリズムでレディポジションに向かう。
・チェンジエンドで、ベンチに座る時間も同じ時間の使い方をする。

書いてみたら、結構普通だな。
ここから私のオリジナリティがあるかもしれません。

(その他)
・試合前のサービス練習では、2割くらいしか力を入れない。
・オンコートでその他練習ができる場合も基本2割くらいしか力を入れない。
・ゲームウェアを、ちょっと古いものを使うとか、
 バーゲンで売られてそうなものを使うとか、
 テニスの試合を熱心にやっている人はそのブランド選ばないとか
 そういう感じのゲームウェアを選ぶ。
・ウォームアップウェアは、ルールの縛りもないので、
 もうこれはテニスウェアにしない。
・ラケットはお店に売られている新型を使わない。
 1シーズン前のものを使う。
・試合前の準備運動系のものは、できるだけ人目につかないところでやる。
サプリメントもできるだけ人目のつくところでは摂取しない。
・人目につくところではできるだけタラタラした感じの雰囲気を作っておく。
・試合会場に入ってからはもちろん、試合会場に向かう電車の中で
 チームメイトがいても、
 「昨日残業長くて、ちょっと疲れ合って体調悪いねん」とか、
「今日は調子ええで」とか
 絶対に言わない。そういう素振りを出さない。

書いてみたらこんな感じです。
全ては、マッチポイントを取り切るため、
その確率を最大に上げるためにやったことです。

マッチポイントを取るために私がやったことのポイントとしては、
一言で言うと、「自分の手の内を極力相手に見せない」ということです。
もうちょっとブレイクダウンすると、
・マッチポイントで相手の読みを外したプレーをする。
・マッチポイントまで、自分の得意技を相手に悟らせない。
・マッチポイントまで、できるだけ自分の不得意な部分を相手に悟らせない。
・マッチポイントまで、自分の精神状態を相手に悟らせない。
・マッチポイントまで、自分がそういう試合運びをしていたということを相手に悟らせない。

そういうことでした。

どこかのチャンピオンとかそうでもない自分自身の話であまり長いのも、
なんか微妙な感じがするので、
ここで終わりにします。

次は、できれば、
「テニスとメンタル」の話をしようかなと。
この話題に関するよくある展開と違うもので、
リアリズムに立ってちょっと考えてみたいと思います。

では。

テニスの試合で勝つために大事なことの話

こんにちは。

自分が楽しむことが大前提で始めたこのブログ、
昨夜初めて筆が進まず、エントリーできずでした。

ということで、気を取り直してエントリー。

「テニスの試合で勝つために一番大事なこと」
という話。

私はテニスのコーチを職業としているわけでもなくて、
テニスのコーチに関する資格を持っているわけでもないんですが、
あんまり取り立ててこのことを話す人がいない割に、
超大事であるということが確実なので、
僭越ながら話させていただきます。

どうすればテニスの試合に勝てるか。
それは、「マッチポイントを自分のポイントにする」ことです。

テニスは競技特性上、
それまでどんなに連続ポイントを取って
相手にポイントを与えなくても、
最後の1ポイントを取らないと勝ちになりません。
取ったポイントの数が相手より少なくても、
マッチポイントを自分が取れば、
自分の勝ちです。逆も同じ。

とにかく、途中が何であろうが、
マッチポイントを取れば勝ちなのです。

ということで、
テニスの試合で勝てる人は、
マッチポイントを取るのがうまいのです。
マッチポイントを握れるようにお膳立てして、
マッチポイントを取り切るための準備をして、
実行できる人が強い人です。

このことを大前提に考えて、
試合を進めていくというのがいわゆる試合運びですね。
とにかく、マッチポイントを取るからさかのぼってイメージすれば、
テニスの試合中、何を考えて何を実行していけば
いいのか、結構分かってくるものです。

ここまで書いたけど、
コーチのいない高校とかでテニスをやってる人たちが、
これを読んで「じゃあそのために何したらええねん」とか
言われそうなので、何をすればそのイメージがプレーに繋げられるか
ということを書きます。

まず、自分がやった試合のマッチポイントが
どんな形のポイントだったか覚えておいてください。
勝ったときも負けた時も。

それと、他人のテニスの試合も見て
勝敗が決したマッチポイントに注目してください。
勝敗が決したラストポイントがどんな形で終わったか、
ということを注目して見てください。

本当は試合展開を見た方がいいんですけど、
そんな時間はない人が多いと思いますので、
とにかくマッチポイントってどんな形で終わるのか、
頭の中に入れてください。

マッチポイントの終わり方って、
結構特徴があるものです。
先に言ったとおり、テニスはマッチポイントさえ取られなければ
負けないので、途中どんな展開であっても、
マッチポイントを握られた人は、試合を投げてどうてもいいプレーをする、
ということはほとんどありません。

このポイントを取られたらおしまい、
ネットしてもアウトしても終わりなので、
自分の中で一番ミスが少ないプレー選択をしてくるものです。
さらに、最大の集中力が出るものです。

ってことで、そうやって見ていると、
テニスのマッチポイントって、
どのカテゴリーでも結構地味な終わり方をすることが多いんです。
綺麗にオープンコートができてスパーンとウィナーが入るとか、
サービスエースやリターンエースが決まるとかって、少ないんです。
多いのが、動きの少ないリズム遅い目のラリーしてて、
相手がちょっと振られてちょっと慌て目に打ったら、
力ないフォアがネットにかかったとか、
ムーンボールでつなごうとしてアウトになったとか、
そういう地味な終わり方です。

認識として、テニスの試合は大概そういう終わり方をする、
でいいと思っています。

テニスの試合で勝つということは、
そういうポイントを取り切る、ということです。
そうするために、試合の終わりからさかのぼってイメージしていって、
試合の途中はどうしていけばいいか考えて行動することが重要です。

それが行動につながっていけば、
勝つ可能性が広がるのと、
このままでは負けてしまうということを速く察知できて、
早い対処ができるのです。

まずこれを考える。

さらにもうちょっとだけ。
マッチポイントを取り切るために、
マッチポイントの時のための特別なネタを準備する。
これがあると、接戦をモノに出来る確率が格段に上がります。
特に、生まれて初めて会う人と試合する、
一般プレイヤーには非常に有効です。
隠しネタを用意しておくんです。

どのくらいのレベルの隠しネタか、って言うと、
マッチポイントに一番速いサーブを打つとか、
今まで1回も打たなかったコースとか球種のサーブを打つとか、
それまで1度も打たなかったアングルショットとかドロップショットをやるとか。
それまで1度も見せてないものを試合の最終盤に初めて出して、
それでいてほぼ失敗しないレベルのもの。

自分が持っていて相手を上回れる技を、
最後の最後まで隠し持つことって、
自分のスキルを試合中全部出さないことになるって思ってしまうので、
実行するのに少し勇気がいるんですが、
前述したように、マッチポイントを自分のものにすることは、
それまでの全ポイントを取ることよりも大変なのです。

その前提で試合を組み立てていってくださったら、
結構やることのイメージは持てると思います。

この話ですが、
私が実業団テニスをやっていた時に、
チームメイトだった先輩社員さんから習いました。
無償で習ったことなので、この話を
自分以外の誰かにして、役立つようにすることが自分の役割だと思っています。

偉そうな話をしたわりには、
具体的なプレーの話が少ない感じですので、
この前提に立って、実際私はどういうプレーをしたかっていうのを
どこかで話してみたいと思います。
これを実行するために、傍目からするとバカみたいなこととか、
そこまでやるか、っていうこともやりましたので。

スポーツって何やろなっていう話

どうも。

さっきまで風呂に入っていて、
今夜はエントリーをサボろうかと思っていたんですが、
書きたいことが思いついてエントリーします。
明日の仕事のために速く寝なきゃいけないので、
なるべく早く終わらせます。

今夜はテニス道具のマニアックな話ではなくて、
自分のスポーツ人生の中で一番しびれる試合の話。

日本で育った日本人の一般的な話をします。

日本で生まれて日本で育って、
日本の普通の学校に行くと、
大半の人が、学校でスポーツに出会うことになります。
大概、部活っていう名のもとに。

学校の枠組みの中でスポーツをプレーします。
学校なので、その中のスポーツは、
学校の枠組みの中で優先順位は1位にならないです。
学校の教育の一環として、スポーツっていうか、
体育を使っているだけなんですから。

詳しく書くと長くなるので少し簡単目に書きますが、
日本のスポーツは歴史上、学校の枠組みの中で培われたものです。
これが分かる本が、
玉木正之さんが書かれた「スポーツとは何か」です。
10年以上前の本ですが、スポーツと日本を知る上で、
かなり分かりやすいので興味のある人はお読みください。

話が飛びました。
ってことで、日本のスポーツってなると、学校の枠組み中心なので、
学校の組織から外れる、卒業してしまうと、
スポーツ環境が一気に貧困になるのが日本という国の特徴です。

高校まで週7回とか年間360日練習していた人でも、
高校卒業すると、その競技の試合をすること、
真剣勝負をすることがゼロになるって人、結構多いと思います。

大人になると、
スポーツの真剣な試合ができなくなるのが日本です。
スポーツで面白いのはここからなのに。
一番パフォーマンスが出るのは18歳過ぎてからなのに。

スポーツを真剣にやればやるほど、
18歳で何が分かんねん、と思うようになります。
18歳で燃え尽きるっていうの、もったいないっていうか、
その時点でスポーツではないと思います。
大人になって、真剣勝負をして、やっとスポーツをやってるって
言えると思うんです。

日本では、スポーツを体育という形に捻じ曲げて、
学校での教育、言ってしまえば軍隊教育のために利用されてきたのです。
これは、本当です。

スポーツは何かと一言で言うと、遊びなのです。
ルールのもとに、体を使って真剣勝負をする遊びなのです。
スポーツはプレーして楽しいからスポーツなのであって、
それが存在意義の1番目なのです。
教育的価値、倫理を育てるという価値もありますが、
それは本質的に、スポーツそのものの楽しさの上に行くことはありません。

だから、スポーツは青春時代のすべてを賭けるものではありません。
一生同じように付き合っていくのがスポーツです。
だから、スポーツごときに青春のすべてをつきこまないでほしい、
大人は、その少年が、スポーツがちょっと秀でてるからといって、
ユース世代をスポーツ漬けにしないでほしいと思います。

私は今までテニスに関して偉そうに
マニアックなブログを書いてきましたが、
自分が本当にテニスが好きになったのは、
社会人になってからでした。
22歳から就職した会社にテニス部があって、
東京の会社だったこともあり、
東京都テニス協会社会人の部っていう、
男子だけで400チームもあるような、
そして勝つと日本リーグにつながっているような場所で
真剣勝負をさせてもらった経験がもう忘れられません。

会社勤めしている人たちが、
休日や平日の夜に練習をして、
日曜日の決まった日に3セットマッチの団体戦をやる。
同じ環境、会社勤めの人たちが、
少ない休みの中で練習して真剣勝負をする。

やってみて、私はこれがスポーツだと思いました。
就職してからでも本気で試合して、
買ったら本当に嬉しくて、負けたら本当に悔しくて、
試合の前日は翌朝早いのに試合ができるのが嬉しくて眠れないとか、
もう、夢の様な体験でした。

でもこれって、スポーツの本質から考えると、
ふつうのことなんですよね。
これだからスポーツで、人間がより幸せに過ごすために
創りだされたものなのです。

だから私は思います。
スポーツは特定の誰かのためのものではないんです。
スポーツはすべての人のためのものです。

本当は、「人生で一番大事な一世一代の試合」
って話をしようと思ったんですが、
ちょっと話が変わってしまいました。
まあとにかく、人生で一番しびれた試合が
18歳以下とか高校生の時だった、
っていうのはもったいないって言うか、
これからもっと楽しいのに、それ以上の体験ができないのは残念、
そんな感じに思ってしまいます。

今のところ、私が一番しびれた試合は、
29歳の時のことでした。
もう7年経ってるけど、あの試合のことはかなり克明に覚えてる。
社会人になって、こういう体験ができた私は、幸せだと思います。
今36歳なんですが、
その29歳の時の試合を、生涯最大の試合だった、
って言わなくていいように自分もテニスのプレーで頑張っていこうと思います。
テニスのプレーもかなりイケてるラケットマニア、ストリングマニアって
なんかかっこいい感じがしてきた。

どうでもいいですね。
では。