ナダルの道具の話(後編)

2日開けてしまいました。
書きたかったナダルの道具の話をやります。

ナダルはとにかく、
フェデラーとは何から何まで真反対のスタイル。
ナダルフェデラーの特徴を比べてみます。

暑苦しいースマート
しつこいー優雅
蛍光色ウェアーモノクロ色ウェア
ノースリーブ襟なしシャツーポロシャツ
長めパンツー短めパンツ
左利きー右利き
両手バックハンドー片手バックハンド
24ミリ厚ラケットー17ミリ厚ラケット
100平方インチラケットー90平方インチラケット
厚いソールのシューズー薄いソールのシューズ

かなりの部分って言うか、
何から何まで対照的です。
テニスでトップになるって、どっちのやり方もあるんだなと。
で、我々テニス好きの中でも、どっちが好きか二分されます。
テニスの王子様世代の人はナダル好きな人、多いみたいですね。
ちなみに、市民大会とかに出ると、
頭から足先までナダルモデルを身につけて、
リターンの構えまで酷似している人がいました。
あまりの徹底ぶりだったので、出場者みんなで見てましたよ。
残念なことにその人は右利きだったんですが。

話がそれた。
なんか知らないんですが、
ナダルのギアの真似をする人はかなり見かけるんですが、
フェデラーの真似する人はあんまり見かけないんですよね。
これは何でだろうな。
後から考えてみたいと思います。

ナダルのアパレルや道具の話。
アパレルはフェデラーと同じくナイキ
ラケットやストリングはバボラです。
この組み合わせ、スペインテニスの英雄、カルロス・モヤと同じです。
モヤとナダルともにマジョルカ島出身です。そういうことですね。
ナダルはモヤに憧れて、ナイキとバボラを使うことをジュニア時代に望んだらしいです。
モヤがATPツアーでノースリーブシャツを着た最初の選手です(だったと思う)。
2002年ごろですね。
それに続いて、ナダルもノースリーブを着るようになりました。

当時は脇毛見せながらテニスをするっていうことがもう、
センセーショナルでした。
ノースリーブで襟が付いてたら間抜けなので、
この頃から、テニスウェアもなし崩し的に襟なしが主流になり始めました。

テニスウェアに襟がなくなると、
Tシャツになってしまうので、
貧素に見えてカッコ悪いという意見をいう人もいました。
でも、襟と袖に自由度が増えたことで、
シルエットやデザインに自由度が出て、
テニスウェアにも新しいかっこよさが出るようになったのです。

ナダルはノースリーブ着始めた頃からローランギャロスで無敵になって、
名実ともにナンバーワンになって、
着ているアパレルもだんだんエスカレートするようになります。
アニメ好き、さらにドラゴンボールの大ファンということもあり、
あの亀仙人道着スタイルをテニスウェアに取り入れたかったらしく、
ナイキに頼んで作ってもらって、試合で着るようになりました。
2006年頃の話です。

その画像を貼りたいんですが、
長くなりすぎるので、気になる方はググってみてください。

シャツはノースリーブ、
パンツは七分丈という本当に前衛的なスタイルで試合をするようになりました。
これは後にも先にもナダルしかいない。

当時のテニスのルールだと、
膝が隠れるパンツはテニスウェアと認められないので、
反則となって、それでコートに入ったら着替えを命じられるはずなんですが、
ナダルはナンバーワンだったからか、ナダルはそれで試合してました。
あれは本当になし崩しですよ。ルール上は反則です。
初めて見た時は、何じゃそりゃカッコ悪〜とか私は思っていたんですが、
勝ち続けてくると、妙にかっこ良く見えてきたりもするようなしないような。

でもまあ、ウィンブルドンではそのスタイルできないだろうし、
やろうともしないだろうと思っていたら!

ナダルウィンブルドン仕様の白亀仙人ウェアを
ウィンブルドンにも持ち込みました。
ちゃんと調べて書くべきだと思うんですけど、
調べてたら時間がかかって前に進めないので、
私の記憶を書きます。
初めて白亀仙人を持ち込んだのは2006年で、
その時は主催者から着替えを命じられることとなりました。
ウィンブルドンだったら当たり前です。
2007年も再チャレンジしてやっぱりダメだった模様ですが、
2008年、なんとあれが認められてウィンブルドン
亀仙人スタイルが降臨することになりました。

その時ナダルは第2シード。
ナンバー2だとウィンブルドンまで動かすのか。
んで、当時芝無敵の第1シード、フェデラーに勝って、
亀仙人スタイルで優勝しちゃいました。
内容もファイナルセット9−7っていうもうスーパーロングマッチ。
ナダルの面目躍如です。

ってことで、ここからナダルがナンバーワンになって、
この亀仙人スタイルのウェアですが、
誰もそれをカッコ悪いとか指摘せずに数年続けていました。
しかしながら、2009年から亀仙人を突然やめて、
普通っぽいアパレルにまた戻っています。
心境の変化があったんでしょうか。

まあそれでも、ナダルのアパレル、
今もやっぱり特徴があります。

色は蛍光色またはそれに近い派手な色が基本です。
で、妙にピチピチのシルエットです。
最近はノースリーブもやめて、襟付きを着ることが増えてきました。

パンツも特徴的で、長めです。
テニス選手の中で一番長い、
膝がちゃんと見えるギリギリの長さですね。
で、これ、かなりの人が突っ込むところですが、
パンツが本当にピチピチなのです。

ピチピチが気になるのか、
サーブ打つ前にかなりの頻度でパンツの股の位置をなおすのです。
そんなに気になるならもうちょいゆったりしたのにしろよって思うくらい。
サーブ打つ前にパンツの股の位置ばっかり直すから、
サーブ打つのが遅くて、タイムバイオレーションの常習犯だったりもします。
テニスをやっている人、
ナダルのプレーを真似するのはいいんですが、ここは真似してはいけません。

おお、長くなった。
ナダルは突っ込みどころ満載なので長くなりますね。
ナダルの話すると渡辺二郎とか亀仙人とか出てくるし。おかしい。

アパレルの話はここまで。

シューズなのですが、ナイキです。
元はモヤと同じもの。
基本はナイキのワールドワイドモデルで、
ナイキの王道、エアがしっかり入っているものを履いています。

現行モデルはコートバリスティックで、
ナイキ着用の選手で一番使用率が高いものです。
ヒール部分にエアがしっかり。
とにかく運動量が多いスタイルだからか、
クッションしっかりの方が好みみたいです。
っていうか欧米人は全体的にこういうシューズを好みますね。
軽い、柔らかいはあまり好まなくて、
ある程度重さがあったほうがいいみたいです。

で、たまにナダル特別カラーが出たります。
それが出た時は必ず派手で、エキセントリックな色であることが多いです。
蛍光水色と黒のまだら模様とか。
一般人が買っちゃったりすると、
手持ちのウェアとほぼ合わないです。

この話も終盤。

ラケットですが、ジュニア時代から一貫してバボラっていうか
ジュニア時代からモヤと同じピュアドライブの系譜のものです。
黄色いラケット、ナダルに似合いますね。
アエロプロドライブってナダルのために黄色にしたのかな。
2005年でしたっけ、
進化版のアエロプロドライブが出たらすぐにチェンジして今に至ります。
24ミリ厚、100平方インチ。
20世紀まではこういうラケット、
飛びすぎでコントロールできないので、
少なくとも男子プロは使わないラケットでした。

でも、モヤがピュアドライブを使ってでローランギャロス勝って、
世界ランク1位にもなりました。
この辺りから、男子のラケットの選び方も、
飛びすぎるくらいのものを選んで、
それをスピンとかの技術でコートの中に入れていく、
という考え方に変わってきました。
ポリエステルストリングの進化もあって、
それができるようになったというのもあります。
それが一番分かりやすいのがナダルです。

ストリングですが、もちろんバボラ。
ナダルはナチュラルなんて高級品使いません!
ポリエステル一本です。
プロデビューして3年目くらいまでは、
本当にデュララスト、それも15ゲージだった模様です。
バボラのラインナップの中で一番硬くて、1.35ミリの極太ストリングです。
ちなみに、このデュララストってバボラストリングの中で、
一番安物のストリングで、
色もポリエステル原色のまっ黄色。
きれいな黄色でもなくてかっこよさとか何もありません。

日本でもデュララストって言うと、
毎日練習するけどお金のない体育会の大学生が使うストリングです。

おそらくですが、っていうかデュララスト使ってる時点それ確定なんですが、
ナダルはストリングは張ってあれば何でもいいタイプです。
たまにこういう人、います。
選手の中にもジュニア時代から1つのメーカーを使い続けると、
他を使うチャンスがないので、他に何があるのか知る機会もないから、
道具に無頓着な人、いるんですよね。

で、ナダルが安物ストリングで世界トップになってしまったことで、
これはイカンとバボラも考えたんでしょう。
世界ナンバーワンが1本4ドルのストリングでは、
他のものが売れなくなるってことで、
当時結構売れていたプロハリケーンというポリエステル系の白ストリングを、
もうちょっと黄色にして、さらにちょっと硬くして、
「プロハリケーンツアー」という名前のストリングとして売り始めました。
で、ナダルにもこれを使ってもらうようにしました。
売り始めた時、アメリカで1本17ドルで、日本では2500円の上代がつきました。
さらにここで、デュララストはバボラのラインナップから外れて、
売らなくなりました。

ってな感じで、ナダルはとにかく硬くて太いストリングの傾向だったんですけど、
2012年に出てきたバボラの新モデル、
RPMブラストが出たらそれにチェンジしたとされています。
RPMブラスト、今流行の黒いストリングです。
高級ストリングで、日本で上代2900円もします。
日本のナダルファン、ストリングを真似しようとすると、
1回の張りで4500円くらい取られる計算です。
高校生にはできないな。

RPMブラスト、高級ストリングだけあって、
一般人にも使える柔らかさがあります。
ナダルは20代後半を迎えてストリングも大人な選択をするようになり始めたのか、
実はまだデュララストを黒く染めて使ってるのかどうかはわかりませんが、
とにかく今のナダルモデルのストリングは高いということで。
バボラの策略だと思います。

あー、長くなった。
マニアック度が上がってきた。

さて、今後はどうしましょう。
次は錦織かな。
それとももう、ストリングのマニアックな話をしていくか。
リーニンの話をするか。

では。