ラオニッチ、チリッチのアパレル

やれるうちにエントリーしておきます。
昨日までトップ5の選手の道具の話をしましたが、
今日は6、8位の選手のアパレルの話をしたいとと思います。
その次は7、9位の選手も行きたいと思います。

トップテンのこの4選手、
着ているアパレルは全員違うメーカーですが、
ちょっと共通点があって、
これがテニスにおけるスポーツ産業、
マーケティングを考えるうえで示唆に富んでいると思いまして。

行きます。

世界ランキング6位のラオニッチ。
カナダ国籍ですが、
モンテネグロ生まれの移民です。
名前がそういう感じですよね。
身長196センチ、100キロ近い体重の体から放たれる
230キロサーブ、超パワフルストロークが持ち味の選手。

ラオニッチのアパレルは今、
ニューバランスです。
頭の先から足元までニューバランス
ニューバランスは、他競技では有名メーカーかもしれませんが、
テニスのアパレルなんてあったのかってくらいの感じです。
テニスに関しては、シューズしか作っていなかった。
それが、事実上ラオニッチにだけアパレルまで提供しています。
ニューバランス着てるテニス選手って、
ラオニッチしか思いつきません。
その分、ラオニッチのウェアは他のメーカーにない
独創的な感じがあります。
ニューバランス着始めてから、2年くらいですかね。
その前はラコステだったと思います。

次に8位のチリッチ。
7位のベルディヒの先にチリッチの話をしたい。
クロアチア人です。
去年のUSオープン決勝で錦織さんに勝った人。
身長198センチ。身長を生かしたスケールの大きいプレーと、
その割にはプレーも全体的に丁寧で、
チリッチが調子がよかったらこれに勝つのはかなり骨が折れる感じですね。

チリッチ、昔はフィラ着てたんですけど、
2011年から頭から足先までリーニンになりました。

リーニン。

中国のメーカーです。
リーニンって漢字にすると李寧で、
このリーニンさん、中国の伝説の体操選手で、
オリンピックの金メダリストです。
このリーニンさんがスポーツブランドを立ち上げ、
体操をはじめとして、卓球、バドミントンとか
中国が強いスポーツにアパレルをはじめ用具提供し始めました。
それでもちょっと前までは中国のメーカーで、
中国国内でしか消費されないドメスティックなブランドだったんです。

それが、北京オリンピックあたりから、中国選手ではない人も
リーニンを身に着ける人が出てきました。
一番分かりやすいのはイシンバエワです。
女子棒高跳びのパイオニア。
さらに見た目もよくて、モデル業までやってるような人。
イシンバエワブブカと同じく、ずっとナイキだったんですが、
2010年でしたっけ、リーニンのスパイクを履くようになりました!
世界を代表するアスリートがリーニン!!
それもナイキの代表的存在、イシンバエワですよ!!!!
これは衝撃でした。

ってことで、リーニンは2010年ごろから
ワールドワイドでもプロダクトを売るようになって、
それが意外とうまくいっているのです。

チリッチの話をしてない。

チリッチも2011年からリーニンユーザーです。
何で突然チリッチがリーニンなんだろうってことですが、
チリッチがリーニンを着る前に、
2000年代のクロアチアのナンバーワン選手、
リュビチッチが先駆けてリーニンだったんです。

いつからか忘れたけど2006年からは着てた。
リュビチッチって体でかくてスキンヘッドで、
そのいかつい見た目から繰り出す豪打がものすごかった。
んで、さすが旧ユーゴ系の方ということで、気も短かった。
それが私は好きだったんですが。

今チリッチのコーチのイバニセビッチ、リュビチッチの系譜を継いで、
そのクロアチアテニスのいいところを引き継いで、
USオープン制覇をしたチリッチは、
旧ユーゴ系の選手にしてはおとなしい感じです。
だから優勝できたとも思いますが。

ってことで、リュビチッチとのつながりでチリッチもリーニンになったのではと。
特に、クロアチアという経済大国ではない国の出身、
それが強さの秘訣なんですが、地味目のプレースタイルってことで、
あんまりスポンサーが期待できないんですよね。

ということで、リーニンはチリッチの実力に目を付けて、
一本釣りでアパレル提供してるんです。

後進メーカーは各メーカー
こんな形で実力派選手を一本釣りするような感じで
アパレル提供をしています。

今日はここまで。

次はベルディヒ、ワウリンカの話。